第51回日本医療福祉設備学会 一般演題優秀発表賞 受賞にあたって

受賞演題
ソフトウェア無線と機械学習による医用テレメータの受信状況推定

石田 開 氏
純真学園大学 保健医療学部 医療工学科 講師

受賞にあたってのご感想

この度は、第51回日本医療福祉設備学会 一般演題優秀演題賞にご選出頂き、大変光栄に存じます。

現代の医療現場では、様々な無線通信が用いられ、医療安全や業務の効率化などに寄与しています。一方で、無線通信は電波を用いることから、受信不良や電磁干渉などの諸問題と向き合う必要があります。特に医用テレメータは、患者のバイタルを監視する医療機器であるため、これらの問題は時に致命的な結果に繋がりかねません。しかし、医療従事者が電波管理をおこなうことは、コストや専門的知識などの面から容易ではありません。

本研究は、安価なデバイスであるソフトウェア無線と、機械学習技術を用いて、医用テレメータの受信状況を推定するアルゴリズムを検討致しました。将来的には、本アルゴリズムをシングルボードコンピュータに搭載することで、医療現場における電波管理を簡便かつ安価に可能なシステムの構築を目指し、今後も研究開発を続けてまいります。

受賞演題
生活習慣病予防のための健康管理アプリの有用性と機能比較の研究

伊藤 翼 氏
名城大学 都市情報学部 保健医療情報学研究室

受賞にあたってのご感想

この度は第51回日本医療福祉設備学会・一般演題「生活習慣病予防のための健康管理アプリの有用性と機能比較に関する研究」に対して「優秀演題賞」の栄誉を賜り、大変光栄に存じます。思わぬ受賞に驚きと背筋の伸びる思いです。

研究を進めるにあたり多大なるご指導とご助言をいただきました名城大学教授の酒井順哉先生に改めて心より感謝申し上げます。本演題は、健康寿命の最大の阻害要因として問題視される生活習慣病の予防に関し、食事管理、運動管理の2つの観点から健康管理アプリの利用が有用であるかについて比較検討を試みたものです。

アプリの機能性に関する評価を実施し、その値に基づいたアプリ間、評価項目間の比較分析をおこないました。健康管理アプリの有用性分析から、口コミによるレビュー評価に頼らず、食事管理、運動管理それぞれで優れた機能を有するアプリを正しく選び併用することにより、日々の健康状態を見える化でき、生活習慣病の予防に大きく貢献できることがわかりました。今回の受賞を励みに今後も精進してまいりたいと思います。

受賞演題
メンタル・ストレスチェックアプリの有用性に関する比較研究

田邉 智之 氏
名城大学 都市情報学部 保健医療情報学研究室

受賞にあたってのご感想

この度は、第51回日本医療福祉設備学会一般演題優秀演題賞を受賞できたことを大変嬉しく思っています。研究を進めるにあたり多大なるご指導とご助言をいただきました名城大学教授の酒井順哉先生に改めて心より感謝申し上げます。

私の研究テーマは、コロナウイルス感染拡大期間において大学生活の中で学生が対面で会話する機会も少なくなり、自分で気づかない内に抑うつ状態になっていないか病院に行かずに計測する手段として、スマートフォンでメンタル・ストレスチェックを手軽におこなえるアプリの有用性に着目しました。

本研究では、約800種類あるメンタル・ストレスチェックアプリからレビュー評価が3.0以上、ダウンロード数が1,000回以上のアプリに絞り、上位6種類のアプリの機能性評価(4項目)、主観的評価(4項目)を各4段階で評価しました。

本研究によって、レビュー評価の順位が必ずしも評価順位と合致しなかったことも分かり、少しでも今後のメンタル・ストレスチェックアプリの普及、改善に役立てていただけるのであれば幸いです。