温故共進
~変わるべきこと、変わってほしいこと、変わらないこと~

一般社団法人日本医療福祉設備協会主催の「第52回日本医療福祉設備学会」は、2023年11月16日(木)、17日(金)の2日間、東京ビッグサイト会議棟において開催いたします。
本年は例年併設展示されておりましたHOSPEX Japanが中止となり学会単独での開催となります。
そこで新たな取り組みとして幅広い情報発信を行いたいとの考えから、学会会場の一角に厳選した展示と情報交換の場を提供し、学会を盛り上げていきたいと考えております。
2023年は日本医療福祉設備協会設立70周年の節目の年であります。この間、医療福祉施設は様々な外的変化への対応が求められてまいりました。
超高齢社会への対応だけでなく、直面する様々な課題への対応が求められ、柔軟に対応し続けてきております。
そこで、この度の学会のテーマは、温故共進~変わるべきこと、変わってほしいこと、変わらないこと~ といたしました。
この3年間、猛威を振るったCOVID-19も、ようやく感染症類型の第5類感染症に落ち着きそうな状況であります。
しかしながら今回の教訓として我が国の医療供給体制が抱える脆弱性も浮き彫りになりました。
今後起こり得るかも知れない新興感染症への対応も考慮しなければなりません。
また、南海トラフ地震の発生確率が20年以内に「60%程度」に引き上げられました。
東日本大震災・熊本地震からの教訓では、個別の医療施設でのBCPではなく地域連携による地域完結型のBCPでないと真に機能しない事がわかりました。
さらには地球温暖化による降雨量の増大により水害のリスクが高まりその備えが求められています。
さらに昨今の電気ガス料金の高騰を受け24時間診療対応が求められる医療施設にとって大きな足かせとなっております。
2024年からは病院などの大規模建築物に対しての省エネ基準が引き上げられる予定であり、今後の医療施設はますますの環境配慮・エネルギー使用の効率的運用を目指していかなければなりません。
他にもAI・IoT、ロボティックスなど様々な技術革新への対応、医療従事者の働き方改革への対応など多岐にわたる課題があります。
そこで様々な変化に的確に対応していくために、先人の英知から学び、新しい未来に向かって共に躍進し進化していける学会にしたいという思いから「温故共進」をテーマにしたいと考えます。
今後、副学会長の飯田 稔氏(順天堂大学キャンパス・ホスピタル再編事業事務局)、不破 徹生氏(株式会社日本設計 環境・設備設計群)とプログラム委員が一体となり、皆さまにとって有意義で魅力ある学会となるよう努力してまいります。
今学会で、医療福祉に係る関係者、施設管理者、建築・設備設計者、施工者、医療機器メーカーの方々、学生の皆様に積極的なご参加をいただき、活発な意見交換の場としていただければ主催関係者の望外の喜びです。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。
第52回日本医療福祉設備学会
学会長 郡 明宏
鹿島建設株式会社 建築設計本部
建築設計部 専任次長
HEAJ理事