ご挨拶

会 長   安 原  洋

このたび,2019年6月13日の臨時理事会におきまして,森村潔前会長の後任として日本医療福祉設備協会の第11代会長に選任されました。ここに謹んでご報告申し上げますとともに,これまで本協会の活動を支えてこられた多くの諸先輩方のご努力に改めて敬意を表し、感謝申し上げます。もとより浅学菲才の身ではございますが,歴代の会長と会員の皆様が築かれた本協会の伝統を引き継ぎ,医療関連施設の設計、設備の充実により、医療、介護、福祉、そして保健の一層の発展に精励いたす所存でございます。
一般社団法人日本医療福祉設備協会(Healthcare Engineering Association of Japan)は、1953年(昭和28年)に病院設備の研究、改善および普及を図ることを目的に設立され、65年の長い歴史を歩んでまいりました。1972年(昭和47年)には「第1回日本病院設備学会」を開催し、以降毎年学術集会を開催するなど、学術的な活動にも力を入れています。1974年(昭和49年)からは、学会併設の展示会HOSPEX Japan(一般社団法人日本能率協会との共催)を開催して産業の育成にも力を入れてまいりました。1999年(平成11年)には、医療関連領域の拡がりに対応し、協会名を日本病院設備協会から現在の名称に改め、最近では病院設備設計ガイドラインの制定やホスピタルエンジニア認定制度、機関誌「病院設備」を発刊するなど、医療、介護、福祉、保健の分野で、病院設計・設備に関連する重要なメッセージを社会に向けて発信し続けています。
当協会は、海外との交流にも積極的に取り組んでまいりました。1984年(昭和59年)には、日本を代表してIFHE (International Federation of Hospital Engineering;国際病院設備連盟)に加盟し、隔年開催される国際学会と毎年開催される理事会・評議員会にも代表を派遣しています。2010年(平成22年)には、当協会主催で、アジア初のIFHE国際学会を東京で開催いたしました。
会員の構成は、医療従事者、コンサルタント、設計者、施工者、施設管理者、医療機器メーカー、大学・研究機関の研究者や教員と、幅広い医療・福祉関連の領域にわたっており、その多様性が他に類を見ない本学会の活動を支えています。
近年、医療、介護、福祉、保健を取り巻く環境はますます厳しさを増しています。しかしながら、これらの分野で、医療関連施設の設計や設備をとおして、分野横断的な活動を行う本協会の役割は一層大きくなってゆくと考えられます。本協会がこれからも社会のニーズに応えていけるよう、今後とも、皆様のご支援とご協力を賜りたく改めてお願い申し上げます。